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がんの治療にも使われる鎮痛剤のボルタレン

ジクロフェナクナトリウムは非ステロイド系鎮痛剤の一種で、日本ではボルタレンの商品名の処方薬として使用されています。
鎮痛消炎効果を持っており、一般的な各種疾患の疼痛の緩和だけでなく、神経組織に浸潤する、骨転移を生じたガンによる強い疼痛をコントロールする目的で、医療現場では良く使用されています。
ボルタレン(ジクロフェナクナトリウム)の特長は、他の鎮痛剤では痛みを緩和することが困難ながんの痛みも抑えることが出来るほど、高い鎮痛効果を持っている点になります。
また、ボルタレンにはジェネリックも存在するため、お財布に応じた選択もできるのも嬉しい点です。
それでは、どうしてボルタレンにはこれほどの高い鎮痛効果を発揮できるのか。
炎症が生じた箇所では細胞膜のリン脂脂質から、アラキドン酸という物質が遊離されます。
このアラキドン酸にはシクロオキシゲナーゼと言う物質を含み、シクロオキシゲナーゼはプロスタグランジンの生成の元になる訳です。
ところでこのプロスタグランジンは、各部位に応じて様々な化学物質が合成され、損傷部位に放出されます。
プロスタグランジン自体には発痛作用はありません。
しかし痛みを生じさせる物質の発痛閾値を低下させる作用があります。
その結果、痛みを認識する最低強度が下がるため、より痛みに敏感になり、疼痛が生じやすくなりより痛みを強く感じるなどの変化が生じます。
さらに、プロスタグランジンには、局所の血流増加や白血球の増加などをもたらし、炎症を増強させる作用も持っているのです。
ジクロフェナクナトリウムには、細胞膜から遊離したアラギトン酸からプロスタグランジンの合成を促進するシクロオキシゲナーゼの働きを阻害することで鎮痛・抗炎症作用を発揮するわけです。
ただしジクロフェナクナトリウムは長期服用を行うと、胃に損傷を与え潰瘍などのリスクが上昇することがあります。
特に長期服用した場合には20%で副作用が見られ、2%の患者では胃腸障害のために服用を中止しなければならないとも言われているので、長期服用する場合は注意が必要です。

遺伝子ががんに与える影響について

がん治療ではボルタレンも投与されていますが、それはあくまで疼痛緩和目的の対症療法に使用されており、根治を目的に投与されるわけではありません。
がんを根治するには早期発見早期治療が鉄則である事実に変わりはありません。
そこで早期発見の為には、がんの発生する機序を確認しておくことが有意義です。
がんの発生には、発がん性物質への慢性的曝露が関係していることが知られています。
典型的には石綿を使用した場所での就業した場合の胸膜中皮腫等が発がん性物質に起因するがんの発生事例の典型例と言えます。
従来から、一部の乳がんや卵巣がんのように家族的に集中して発症することが知られており、がんの発生と遺伝的素因の関係が注目されていました。
とりわけ、最近のヒトゲノム研究の進展などにより、一般的なガンにおいても遺伝子変異も深く関与していることが知られるようになりました。
がん細胞は正常な細胞に2-10箇所ほどに傷付くことにより生じるのです。
とはいってもこれらの傷は一時に出来るわけではなく、長時間の経過の中で徐々に誘発されると考えられています。
遺伝子が傷つくことによる変異には、細胞増殖を活性化させるガン遺伝子の活性化と、細胞増殖をブレーキする遺伝子の作用が失われるガン抑制遺伝子の不活化の両面があるとされているのです。
ただ全てのダメージががんの発生に関与するわけではありません。
ある特定の遺伝子に傷が付くと細胞増殖のアクセルが踏まれたままの状態になることが研究の結果、明らかにされています。
その遺伝子の傷はDNAにダメージを与えることも意味します。
DNAには人体の設計図が暗号として記録されています。
ここに遺伝子突然変異が生じることでDNAが傷つけられ、がん細胞が出現するわけです。
このような変異を与える要因として、喫煙や紫外線曝露などが指摘されています。