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主な死因になり得る虚血性心疾患とは

虚血とは、組織が必要としているだけの血液を受けることができなくなって、組織が酸素不足になることを言います。
虚血性心疾患は、心臓に栄養を送っている冠状動脈と呼ばれる血管が、何らかの原因で狭くなったり(狭窄)、詰まったり(閉塞)して、酸素需要に見合うだけの血液を心筋に送ることができなくなり、心筋が虚血に陥った状態です。
狭窄や閉塞が起きる原因は、動脈硬化が最多です。
それ以外の原因としては、冠動脈の攣縮(激しくけいれんしたような状態)や、動脈炎や冠動脈塞栓症などがあります。
虚血性心疾患の代表的なものは、狭心症と心筋梗塞です。

狭心症

主に4つに分類され、以下の3つの他に、自覚症状のない無症候性狭心症があります。

労作性狭心症
労作時に起こって安静にしていれば治まるものです。
動脈硬化によってアテロームと言う粥状のプラークができたことで冠状動脈が詰まった状態です。
プラークと言うのは、コレステロールの塊です。
労作時に胸が痛くなったり圧迫感を感じたりしますが、安静にしていると治まります。
冠攣縮性狭心症(異型狭心症)
冠状動脈が攣縮するために一過性の狭窄や閉塞が起こります。
夜間や早朝に胸が痛くなったり胸に圧迫感を感じることが多いです。
不安定狭心症
症状が次第に増えて安静時にも発作が起こるようになります。
血栓ができたことによって血管が狭窄して発作が起こります。
安静時にも発作が起きることが特徴で、発作は数分から20分程度続きます。
不安定狭心症は、心筋梗塞に進行しやすい危険な狭心症です。

心筋梗塞

狭心症が進行して完全に冠状動脈が詰まった状態です。
強烈な胸の痛みが起こり、そのまま意識を失うケースが大半です。
早く治療をしないと、心筋が壊死してしまいます。
発症から40分ほどで、心筋の壊死が始まり、6~24時間で壊死が心臓の内側から外側の膜にまで及んでしまいます。
心臓自体の損傷が大きくなるので、一刻も早く救急搬送して適切な治療を受ける必要があります。
狭心症と心筋梗塞の違いは、冠状動脈が75%ほど狭くなるのが狭心症、完全に詰まってしまうのが心筋梗塞です。
急性心筋梗塞の死亡者数は心臓病の中で最も多く、年間約3万7200人が命を落としています。
心筋梗塞は、命を取り留めても心臓の機能が低下して、再発も多いです。
また他の臓器にも支障を来すことがあるので、注意が必要です。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を起こしたことがある人は、二次予防が重要です。
そして、心臓だけではなく、脳梗塞や腎臓病や肝臓病にも注意する必要があります。

心疾患は様々な要因になる

虚血性心疾患の原因の多くは動脈硬化です。
動脈硬化があると、虚血性心疾患以外にも様々な病気に注意が必要となります。
動脈硬化が心臓の血管で起きたものが虚血性心疾患ですが、動脈硬化が脳の血管で起きると、脳梗塞や脳出血やくも膜下出血となります。
脳の血管が使った状態が脳梗塞、脳の血管が破れた状態が脳出血やくも膜下出血です。
脳梗塞と脳出血とくも膜下出血の3つを合わせて脳卒中と言います。
脳卒中で亡くなる人は年間約11万人で、発症するとおよそ1割の人が死亡し、命が助かっても約6割の人が介護が必要な状態になっています。
胸部大動脈や腹部大動脈で動脈硬化が起こると、大動脈瘤や大動脈瘤解離という状態となります。
動脈硬化で弾力性がなくなってもろくなった大動脈にコブ(瘤)ができて、それが破裂したり血管の壁が避けたりします。
大動脈瘤や大動脈解離も緊急に治療をしないと命にかかわる疾患です。
腎臓で動脈硬化が起こると、腎硬化症や腎血管性高血圧となります。
急速に発症してどんどんひどくなっていく高血圧や治療に抵抗するタイプの高血圧の人は、きちんと検査をして腎血管性高血圧ではないか確かめることが大切です。
このように、心筋梗塞や狭心症と言った虚血性心疾患と診断されたことのある人は、体中で動脈硬化が起きている可能性が高く、心臓だけではなく様々な病気の要因にもなります。
動脈硬化になる原因で多いのが高血圧です。
狭心症や心筋梗塞になった人のおよそ8割の人が高血圧です。
高血圧と診断されても特に自覚症状がないため、多くの人が軽視して、今まで通りの不摂生な生活を続けます。
通院をサボる人も少なくありません。
そして心筋梗塞や脳梗塞などの命にかかわるような事態にまで陥って、初めて本気で食生活を見直したり運動不足を改めたり、ストレス解消になることを始めたり、通院をサボらないようにしようと決心するというパターンが多いです。
しかし、このような事態に陥る前に、高血圧と診断されたらきちんと治療を受けることや、食習慣や運動習慣や働き方を見直すことが大切です。