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患者が増加している骨粗しょう症について

超高齢化社会を迎える日本にとって、骨粗しょう症の患者さんが増えているという現実や今後ますます増えるであろうと予測されるという問題は、重要課題の一つです。
日本は長寿国ですが、平均寿命と健康寿命の間には約10年もの差があります。
健康寿命と言うのは、病気になったり寝たきりになったり自分の足で歩くことができなくなったりすることなく、健康で活動的に暮らせる年数です。
この健康寿命と平均寿命の差を大きくしている原因の一つに骨粗しょう症があります。
骨粗しょう症は老年病の一つとも言えます。
現在、骨粗しょう症の患者さんは全国におよそ1280万人だと言われています。
しかし、きちんと治療を受けている人はわずか20%ほどしかいません。
また、治療を受けていたものの、途中でやめてしまった人が50~70%もいます。
骨粗しょう症は治療効果が現われるまでに2~3年かかるので、途中で治療を止めたりしないで継続することが重要です。
これらのことは、骨粗しょう症について誤った知識を持っていることが一因です。
骨粗しょう症について正しい知識を持って、骨粗しょう症によって寝たきりになることを防ぎましょう。
骨粗しょう症になると、骨がスカスカになって骨折しやすくなります。
骨粗しょう症になると、脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)といって、普通は骨折に至らないような些細な刺激でも骨折に結びつくことがあります。
そして、骨折していても痛みがなく気がつかないケースが多いです。
太ももの付け根を骨折したり、背骨がつぶれてしまう脊椎圧迫骨折が多いのですが、約50%の人が骨折していたにも関わらず気づいていませんでした。
身長が2センチ以上縮んだ人は背骨の圧迫骨折の可能性が高いので、要注意です。
検査を受けることをお勧めします。
また、一度骨折した人はドミノ倒しのように次々と他の部分を骨折しやすいということも、骨粗しょう症の特徴です。
一度も骨折をしたことのない人と比べると、背骨は4.4倍、太ももの付け根は2.3倍のリスクがあります。

骨にも新陳代謝がある?

骨の強さは、骨密度と骨の質が関係します。
骨は新陳代謝によって日々作り替えられています。
骨を壊す細胞(破骨細胞)と骨を作る細胞(骨芽細胞)があって、健康な人はこれらがバランスよく働いています。
しかしこのバランスが崩れて骨を壊す細胞の働きが骨を作る細胞よりも上回ってしまうと、骨量が減少して骨がスカスカになってしまいます。
骨密度だけではなく、骨の質も重要です。
骨を鉄筋コンクリートのマンションに例えると、鉄筋部分がコラーゲンと言うたんぱく質でコンクリート部分がカルシウムなどのミネラルです。
コラーゲン同士がしっかりと繋がっていれば丈夫な骨質となります。
骨の強度は、骨量の目安となる骨密度で70%、骨質で30%が決まると考えられています。
骨粗しょう症になると、骨密度が低下して骨質が劣化します。
高齢になると、腸での吸収力が落ちてきてカルシウムの吸収力が低下します。
十分に栄養を摂っていても骨がもろくなりやすいです。
老年病だと言われるのはこのためです。
そのため、骨粗しょう症になると、薬が必要になることもあります。
しかし、骨粗しょう症の薬に対して、あごの骨が腐るという誤解を抱いている人が多いようです。
それが原因で、途中で服薬を中止する人がいます。
医師の中でも、専門医以外の医師はまだこのように誤解している医師も少なくありません。
確かに少し前まで、ビスホスホネートという薬やデノスマブという薬であごの骨が腐る顎骨壊死が起きる可能性がある、と言われていました。
特に歯の治療を受けた後に起きると言われていました。
しかし、この顎骨壊死は口腔内の感染が引き金となるケースが多く、薬や歯の治療が原因ではなく、虫歯や歯周病などの歯の病気そのものが原因であることが判っています。
また、これら以外の骨粗しょう症の薬では、顎骨壊死は起こりません。
これらの薬を使う前に歯科を受診して、抜歯や治療を済ませておき、口腔内の衛生状態を改善しておけば大丈夫です。
きちんと治療を継続しましょう。
そして、骨粗しょう症にならないためには、栄養をバランスよく摂ることが重要です。
カルシウムなどのミネラルももちろん大切ですが、栄養はチームで働きます。
カルシウムの吸収をよくするためには、ビタミンCやビタミンKも重要です。
ビタミンKは、納豆や青菜にたくさん含まれています。
さらに、運動や適度に日光を浴びることも大切です。